Intel HD Graphics のマシンで,Wine の DirectX をいいかんじにやってもらいたい(ArchLinux)
実は,数年前より,フリーのグラフィックスライブラリである Mesa において,DirectX 9 がネイティブに扱えるようになっています.と,言うのも,Mesa が導入した Gallium 3D というもののおかげです. これは,OpenGL や DirectX のバックエンドとなる,3D 描画一般の標準的な API を提供するレイヤです.そこで,Wine についても,この Gallium を使って DirectX 9 をネイティブに描画する,Gallium nine patch というものが存在しています. # pacman -S wine-staging-nine このパッチが当たった wine では, winecfg の staging タブで Gallium Nine を有効化するだけで使えるようになります.しかし,Intel HD Graphics のマシンでは, ilo: driver missing と出てしまい,DirectX を使うアプリケーションの起動が失敗するようになってしまいます. そこで,解決方法は,次の通りです. # pacman -S abs && abs で /var/abs/ にパッケージビルドレシピをダウンロード $ cp -r /var/abs/extra/mesa $HOME/ PKGBUILD を編集し, --with-gallium-drivers= へ, ilo を追加 $ makepkg -i によりパッケージビルド,インストール これで,Wine で DirectX をいいかんじにやってもらえるようになります.ただし,已然として不具合や欠けている機能の多いものなので,正しく動作しない可能性も高いです.その場合は,Gallium Nine を無効化して,諦めて従来の描画方法に頼りましょう.