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9月, 2017の投稿を表示しています

readline を使うアプリケーションでの入力を便利にする .inputrc

Linux で使われる主要なアプリケーションは,標準入力から入力を受け取るプロンプトを readline で実装していることが多い。最も有名なのは bash だろう。 実は,Ruby や Python で素朴に標準入力を受け取るプログラムを書いたときも, rlwrap コマンドを噛ましてやると,readline を使うようになる。 bash で vi モードや emacs モードの行内編集を有効化する人は多いのではないかと思うが,実はこれも readline の機能である。 つまり,これらの機能を設定するにあたり,bashrc を編集するより inputrc を編集するほうが,bash のみならず他のアプリケーションでも便利な入力機能が享受できる,というわけだ。そこで以下に私の設定を晒してみる。 set editing-mode vi $if mode=vi         set keymap vi-command         Control-l: clear-screen         set keymap vi-insert         Control-l: clear-screen $endif "\C-p": history-search-backward "\C-n": history-search-forward TAB: complete この設定は次の通りの機能をもつ 行内編集で vi モードが使えるのでプロンプト上でやおら ESC すると hjkl で移動したり  x で削除できたりする vi モードを有効化してても <C-L> でスクリーンクリアを有効化されるようにした <C-P>,<C-N> で入力履歴から前方一致検索する TAB での補完が効くようにした 設定ファイルのオプションの意味の説明は割愛(見ればわかるので)

Kubernetes 上の heapster に curl でダイレクトアクセス

まず前提として, https://kubernetes.io/docs/setup/independent/create-cluster-kubeadm/ に従い,kubernetes を bare metal サーバに kubeadm でインストールしたものとする。 今回は,CNI に Project Calico を使用した。 Kubernets v1.6.1 Calico v2.1.4 作業をはじめる前に,このバージョンで kubeadm を使い導入していると,クレデンシャルが自動生成されて,それを使わなければ kubectl での API アクセスが弾かれる # cp /etc/kubernetes/admin.conf $HOME/admin.conf $ export KUBECONFIG="$HOME/admin.conf" また, curl でのアクセスも同様に弾かれるため,kube-proxy を利用する。 $ kubectl proxy --port=8080 & ポートはお好きなように。この記事では 8080 で進めていく。 それではまず,heapster を導入する。 $ git clone https://github.com/kubernetes/heapster $ kubectl create -f heapster/deploy/kube-config/influxdb $ kubectl create -f heapster/deploy/kube-config/rbac/heapster-rbac.yaml ちなみにこの記事を書いたときの heapster の最新の stable は v1.4.2 だが, git checkout v1.4.2 をしてこれを行ったとき,grafana の pod が無限再起動に陥ってしまいしばらく気がつかずに苦しんだ。 くそぅ……罠だ……k8s なんて嫌いです……ぐすん。 それはともかく,気分を切り替えて張り切って API アクセスしようと思う。 $ curl http://127.0.0.1:8080 {   "paths": [     "/api",    

macOS で Mach-O バイナリにリンクされてる動的リンクのライブラリを調べる

普段 CLI を使う環境が Linux/*BSD なもんでつい手癖で ldd を使ってしまったが,ldd は glibc の付属ツールである。macOS の場合, otool -L a.out とかすれば良いらしい。他にも Mach-O のオブジェクトファイルの情報を出せる ObjectDump とか dyld の情報出せる dyldinfo とか知らないコマンドがいっぱいあるっぽいので難しい。

gcc のバージョン番号の大小をシェルスクリプトで判別するやつ

$ gcc -dumpversion | awk -F. '{printf "%2d%02d%02d", $1,$2,$3}' 70200 これで整数になるのであとは test -gt とか test -ne とか使う P. S. 最初 $ gcc -v 2>&1 | tail -n 1 | awk '{print $3}' とかやってバージョン番号をダンプしてたがもっと便利なオプションがあってよかった。

最近 Vivaldi とか Slack が Linux と GNOME でよく刺さる [一応解決?]

先一昨日にカーネルアップデートをして ArchLinux のカーネルが 4.13.2-1-zen になった。 一昨日と昨日はあんまり触ってなくて,今日触ってたら,Vivaldi とか Slack でよく刺さるようになってしまった。 メモリ不足で Wayland のセッションが OOM かなんかに回収されて再起動するときの挙動に似てたので最初は気にしなかったのだが, なんか復活したセッションがまたクラッシュした上にリカバリできなくなって X に fallback するようになった。 これはマズい挙動なのでは? とりあえず journalctl をみてみる。 盛大に壊れてる。 で,エラーメッセージで調べたところ(調べようとして Vivaldi を起動してまた刺してしまって,最終的に reboot してから Windows で調べた), 89360 – [bdw-u iommu] DMAR error -> GPU hang https://bugs.freedesktop.org/show_bug.cgi?id=89360 はい,バグですね。 そういえば使ってるマシンは VAIO Pro 13 | mk2 の,Core i5 モデルなので,Broadwell であり,GPU は Intel HD Graphics 5500 だ。 ビンゴである。 Slack のほうも /usr/share/applications/slack.desktop の起動コマンドから --disable-gpu フラグを外してたりしました。はい……。 とりあえず Bugzilla にあった通り,ブートローダーのカーネルコマンドラインに, intel_iommu=igfx_off を追加してみたところ,今のところまだ刺さらずにこのブログ記事が Vivaldi で書けている。

BibLaTeX で参考文献の表示をカスタマイズする

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 最近原稿の参考文献は pBibTeX ではなく Biber+BibLaTeX を使うようになりました。 BibLaTeX はスタイルファイルを書き換えなくとも表示がカスタマイズできるところが美点です。そこで最近やったカスタマイズについてメモを残します。 前提として,ACM のスタイルファイルで \bibliographystyle{abbrvnat} を使ったときに表示を近づけようとしています。そこで,パッケージの設定は次の通り。 \usepackage[backend=biber,style=trad-abbrv,natbib=true]{biblatex} doi や URL を表示しない 私は Mendeley を文献管理に使っており,なるべく得られた情報はすべてデータベース化しておきたいという考えの持ち主でもあるので,doi や PDF の URL も記録しているのですが,その全てを原稿中で表示したいわけではないため,次のようにしました。 会議名の先頭に In Proc. of を付けたい 会議名は会議名として記録・分類したいので,会議名の頭に In Proc. of とか In Proceedings of を付けて周るようなマネはしたくありません。とはいえ,それは Mendeley での管理の話で,原稿の中では会議の名前にだけ In Proc. of というのを付けたいです。しかし,このスタイルのデフォルトだと会議でも論文誌でも In Booktitle となるようなので,今回は \renewbibmacro{} を使い in: という bibmacro を変更します。 会議名と会議の略称の体裁 最後に,これは私固有の問題ですが,Mendeley で会議名を Proc.Title,略称を Series に入れて管理していると,BibTeX ファイルにはそれぞれが booktitle と series に入れられます。これは, Book Title , Series, と表示されますが,これを Book Title (Series), にしたいので, $TEXMF/tex/biblatex/biblatex-trad/trad-standard.bbx にある定義を参照しました。これによると,inpro

QEMU のイメージファイルの特定のパーティションをホストにマウントする

こういうときだいたいみなさん losetup コマンドで loopback device にして mount すると思います。raw ディスクだとそれでも良かったりしますが,qcow2 の 3 番目のパーティションをマウント,とかやろうとすると少し厄介。 これは次のようにして解決できます。 # modprobe nbd # qemu-nbd --connect=/dev/nbd0 ./target.qcow2 まずこれで /dev/nbd0 がブロックデバイスとして使えるようになります。ここで, # fdisk -l /dev/nbd0 Disk /dev/nbd0: 8 GiB, 8589934592 bytes, 16777216 sectors Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes Disklabel type: dos Disk identifier: 0x97d8dd27 Device Boot Start End Sectors Size Id Type /dev/nbd0p1 * 2048 206847 204800 100M 83 Linux /dev/nbd0p2 206848 1202175 995328 486M 82 Linux swap / Solaris /dev/nbd0p3 1202176 16777215 15575040 7.4G 83 Linux これで 3 番目のパーティションは 1202176 セクタ目から開始していて,セクタサイズが 512 bytes であることが読み取れるので,3 番目のパーティションは 1202176 * 512 = 615514112 byte 目から始まることがわかります。 従って, # mount -o offset=615514112 /dev/nbd0 /mnt これでマウントができます。 ここまで書いて気がついたが f

tmux や NeoVim に U+001B [2 q や U+001B [6 q が出現する

表題通り。 色々あって GNOME Extension の Drop-down terminal じゃなくて Guake に戻してみたらヘンなモノが出てきて戸惑った。 これは, NVIM_TUI_ENABLE_CURSOR_SHAPE not respected when using neovim within tmux · Issue #4541 · neovim/neovim https://github.com/neovim/neovim/issues/4541 この問題を解決するためにかつて tmux.conf に次のような設定を加えていたせいだった。 set -g -a terminal-overrides ',*:Ss=\E[%p1%d q:Se=\E[2 q' たしかに [2 q とか書いてますね……。 P.S. escape character (001B) in prompt · Issue #6041 · neovim/neovim https://github.com/neovim/neovim/issues/6041 関連しそうな Issue。 $NVIM_TUI_ENABLE_CURSOR_ を 0 にしてる。

Pandoc で日本語を含む Markdown から PDF を生成することをラクにしようとした

ちょっとした議事録とかメモをプレインテキストでサクっと取るのには Makrdown はそこそこ便利である。 ただプレインテキストのままだた読みづらいので PDF にしたい。 とはいえ,がっつり手をかけてするほどのことはしたくない。 そういうときに,どうするか。 Pandoc というプロダクトを使えば,内部で LaTeX エンジンを噛ませるものの,簡単に PDF producing が可能である。 ただし Pandoc は海外プロダクト,日本語はそのままでは対応しないため,pandoc コマンドに --latex-engine オプションで XeLaTeX や LuaLaTeX を指定することで,日本語対応させる。 すると次には,フォントを Latin Modern と IPA フォントではなく,もうちょっとマシなものにしたいというのが人情。 しかし,Pandoc Markdown ではそれをするために, --- - header-includes:     - \usepackage{luatexja-otf}     ... --- などと Markdown の先頭に yaml 形式で TeX のプリアンブルをずらずらと書く必要がある。 Markdown に書き込まず別に TeX ファイルを用意し,pandoc コマンドに -H オプションで渡すという手段も存在する。 が,目的は小さな重要度の低い Markdown を PDF にすることであって,手の込むことはしたくない。 フォントの設定のコマンドはたいした量じゃないとはいえ毎度 Markdown の先頭に書く,これもよろしくない。 そこで解決策,次のようなシェル関数を用意して,ログインシェルの rc ファイルに書いておきました。 これでちょっと幸せになった気がする。

sgi のワークステーションは DB13W3 という形式の VGA プラグを使うので困った話

2 年前から温めたままブログに書きそびれてたネタです。 @syuu1228 せんせーから sgi の Octane を譲ってもらったのだが,ディスプレイに接続するのに特殊なプラグが必要だった。 DB 13W3 と言うらしい。 https://en.wikipedia.org/wiki/DB13W3 この 13W3,Sun のワークステーションと sgi のワークステーションでピンアサインが違うらしい。 そして,オークションにでは Sun 用の 13W3 to VGA ケーブルしか見かけない。そこで, メモ: SUN用の13W3コネクタはGNDではなくかつBNCになってない(=RGBではない)ピン,つまり1, 2, 4, 5, 6, 7のピンを潰せばsgiで使える(がSUNでつかえなくなる)らしい [sokutenable] — orumin (@kotatsu_mi) 2015年12月15日 c.f.)  http://phaq.phunsites.net/2006/08/25/using-a-sun-13w3-vga-adaptor-on-a-sgi-indy/ この通り,1, 2, 4, 5, 6, 7 番の pin を接続できないようにすれば良いらしい。 また,このワークステーションは通常 Sync-on-Green といい,映像同期信号が緑の映像信号に重畳されてるので,VGA に変換するには同期信号を取り出して変換する回路が必要である。 そのためには,LM1881N という IC がひとつあれば,同期信号がどうやら取り出せるようであった。しかし回路をつくるのは面倒である。 ここで運の良いことに, やった!映った!Octane2、Sync on GreenではないVProなグラフィックボード持ってた!Sunの13W3ケーブルの1,2,4,5,6,7pinを抜いたり折ったり潰したりするだけで使えた! pic.twitter.com/h4msjsKWxi — orumin (@kotatsu_mi) 2015年12月22日 なんと譲ってもらったワークステーションに結構なグラフィックボードが積んであり SoG ではなく普通に同期信号が出ていた。便利……。

pipe と fd のフラグ

さいきんブログを書いていないと思ったら今年に入ってから更新をしていなかった。 覚えている部分からとりあえず気がついたことをメモしておこうと思う。 今回は pipe と fd のフラグについて。 Linux ほか *nix のシステムでは pipe(2) というシステムコールでプロセス間通信用の fd を作成できる。 このパイプの fd には O_NONBLOCK というフラグを立てたり消したりすることが可能である。 つまり,パイプはノンブロッキングに読める。 手元の ArchLinux で Linux 4.12,glibc 2.25 を使ってるとデフォルトでこのフラグが立ってたっぽくて予想してない挙動に気がつかなくてハマった。 フラグの確認方法は, #inlude <fcntl.h> ... fcntl( fd, F_GETFL ); この返却値を調べれば良い。 逆にフラグをセットするならば, #include <fcntl.h> ... fcntl( fd, F_SETFL, fcntl(fd, F_GETFL) | O_NONBLOCK ); のように取得したフラグに立てたいフラグを追加すれば良い。 フラグの消去もまた同様。 O_NONBLOCK が立てられていた場合について。 この場合,fd を read(2) で読むと,まだ何もデータが到着していない場合, read(2) は -1 を返却する。 なので, while( read( fd, buf, sizeof(buf) ) > 0 ) { ... などという手抜きコードを書いていると read(2) はブロックしないので何も読まずに終わることがある。 この場合, for(;;) {     ssize_t read_size = read( fd, buf, sizeof(buf) );     if ( read_size < 0 ) {         if ( errno == EAGAIN ) { continue; }         else { break; }     } else { ... という風に read(2) の返却値が正の値じゃない場合かつ errno