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PS VIta をハックしよう

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インロダクション ずっとまえに こんな記事 を書いた私がこのネタを逃すはずがなかった. そもそも低レイヤに興味をもつ切っ掛けのひとつが PSP のハックシーンだったので, そのハックシーンの人達がおおきく影響している PS Vita に興味がないわけがなかった. その PS Vita だが,今年 2016 年の 7 月終わりになりにわかに動きを見せはじめている. 背景と経緯 以前は,PS Vita に内蔵されている PSP エミュレータについて,PSP のファームウェアのバグをつつく形で PSP の Homebrew を起動させることが主流だった.Homebrew はビールの自家醸造を指す単語だが,転じてハックシーンでは自作アプリケーションをコンソールゲーム機で動作させることをいう.PS Vita は PSP の反省からなのかゲームメディアもセーブデータなどを格納するメモリーカードも独自規格かつ暗号化されており,バッテリーを自分で取り外すことも不可能になっていた. OS には *BSD ベースのものが採用されており(未確認.一部のソフトウェアスタックだけという話も.FreeBSD と NetBSD のふたつについてライセンスされている),ASLR も有効化されてるという. だが,実はこの PS Vita に搭載されているブラウザのレンダリングエンジン,WebKit の改造版に exploit が存在しており,PS Vita でネイティヴに Homebrew が動作させられるらしい. そんなこんなで去年登場したのが,Rejuvenate,若返りを意味するハックである. Yifan Lu  氏によるハックで,PlayStation®Mobile 向けに作った Homebrew が未署名でも動作する.しかし,この PlayStation®Mobile のサービスは去年終了してしまい,Yifan Lu 氏もこの Rejuvenate の開発を停止した.なにより,導入が煩雑であった. 今回の手法 今回登場したのは,またもや Yifan Lu 氏による WebKit exploit で,その名前も HENkaku(変革) である. これはとても簡単で,ファームウェアバージョン 3.60 の PS Vita のブラウザで, 上記サイトにア

VAIO Z(フリップモデル)に Arch Linux をいれる

自分のメインマシンである VAIO Pro 13 | mk2 が不慮の事故で一部破損したので, 実用上一切問題ない箇所だったが修理送りにした. そこで,今研究室で貸与されている VAIO Z(フリップモデル)にVAIO Pro 13 | mk2 の環境を全部転送することにした. ちなみに,もちろんデュアルブートにしてる.Windows 消すの勿体なく感じるんですよねぇ.びんぼーしょー. 以下,覚書 initramfs には nvme モジュールを含める. btrfs の subvolume にしていた /home は,read-only で snapshot を作成して,btrfs-send で全部送ってやることで /home をそのまま新環境にそっくり移した. その際に,mbuffer を使って転送した 受け側は mbuffer の stdout を btrfs-receive が受ける また,VAIO Z(フリップフロップモデル)は N-Trig の筆圧感知のタッチスクリーンとペンが付いている.しかし,Linux の X や Wayland はデフォルトではこれを使えない. 次のようにする. これを /etc/X11/xorg.conf.d に配置しておくことで,ペンを認識するようになる. 最後に,自動回転についてだが,現状これに対応していない. iio-sensor-proxy  というツールを使えば自動回転に対応できるのだが, そのためのセンサーのドライバがそもそも存在していないためである. これは Intel Integrated Sensor Hub (Intel ISH) というデバイスのドライバが必要である. このドライバは先頃 LKML にパッチが投稿,議論されており,ついには https://lkml.org/lkml/2016/9/7/98 のとおりに hid/for-next のツリーにマージされた. おそらく Linux 4.9 から使えるようになるだろう.