劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 見てきました

タイトル通り。
公開初日の朝一番に見に行きました。

深夜には流石に行けなかった。

移動ルート選択失敗して、物販に間に合わなかったので上映前からソウルジェム濁りそうでした。
(砂時計が目の前で売り切れ状態)

まあこれは私より私のツレのほうがソウルジェム濁ってそうなので申し訳なかったですね。


戦利品は、これらです。
クリアファイルって中に複製原画入ってるの帰ってから気が付いて、ちょっと感動しました。
色紙は杏さや。

一回しかまだ見てないので、もう何回か見たい映画でした。
パンフレット買っておけばよかった……

では感想とか(ネタバレ注意)
ちょっとストーリーの順序とか覚えきれてないかもしれない、あと長文

















まず最初いきなりの戦闘シーン。 みんなが協力してるのが珍しい。
ここで、最初に結界らしきものが展開するときのイヌカレー空間の動きがいつに増して素晴しいものでした。これだけでも見に来た甲斐があるというもの。
みんなの動きもすごく良い動きだし、本編で見れなかった戦い方が見れました。

しかし、その後、追い詰めたところでイキナリミュージカル調にお茶会が始まったところとか
マミさんがシャルロッテらしきものを抱いてるとことかにすごい戸惑いを感じました。
これからどうストーリーが進むのかまったく想像つかなかった……

このときの魔女(?)、welcome to cinemaって書いてあって洒落が効いててよいとおもいます。

ここでオープニング(だったと思う)、けっこうこのオープニングが色々と示唆的でした。
一瞬翼が生えたようなほむほむのシルエット映ったり。

とりあえず定番の鹿目家のパターン。次に登校シーンですが、
なぜか杏子ちゃんが居て、さやかとのきゃっきゃうふふが見れて結構満足。
杏子とさやかがまどかの周りでじゃれてるとき、呆れたまどかの頭を撫でてる
人語をしゃべらず完全にマスコットと化したQBとかが芸細かいなーと。


早乙女先生が完全に一線を越えたカンジになってて正直狂気を感じました。
パッと見平和なのに、どこか狂気を孕んだ世界って感じに見えますね。

ここでの転校生もパターンですけど、ほむほむがなぜか眼鏡三つ編み。
しかし既にマミさんがほむほむが魔法少女であることを知ってたらしく、
他の4人もすぐに打ち解ける。

最近上条くんとあんまり都合がつかない仁美がナイトメア化。魔女じゃないんですね。
正直、魔女が消えた世界での新しい怪物の名称覚えてなくて、
本編最後に出てきたのがナイトメアって名前だったかなって思ったけどあれは魔獣でしたね。

ここで5人の魔法少女戦隊モノみたいな変身シーン、どれもとても個性的な動きとテーマで変身するのが面白いところですね。でもちょっと怖かった。
みんなが協力技使ったり、マミさんが列車砲でティロ・フィナーレしたり
ファンサービスはバッチリという感じ+見ててとても楽しい映像。

最後は円卓に5人で言葉遊びをしてナイトメアを倒すというのはなかなか興味深い。
さやかが甘酸っぱいラズベリーだったり、杏子が林檎だったり、マミさんがチーズなのは納得ですが、あわてたほむらがかぼちゃなのと、まどかがメロンというのが意外でした。
このときの、まあるいケーキと言うシーンとか、振られた人がちがうと言い返すとことか
それぞれの性格みたいなのが表されてるようで可愛かった。

その後の日常パートでは平和なハズの日常に違和感を覚えはじめ、
一番違和感を覚える相手である杏子に相談するほむほむ。

ここで、杏子とほむらの二人で見滝原の外に出ようとして何故か見滝原に帰ってしまう……

ほむほむが日常に違和感を覚えはじめたところから、モブの顔がイヌカレーデザインの妖しい感じになってて
ゾクっとする演出でした。

ここから次第にほむらの記憶は元に戻り始め、眼鏡と三つ編みは解除、マミさんの元にいる
シャルロッテもといベベの正体を探りにいきます。
和やかに茶会をしているようで、マミさんにジャブを入れていくほむほむ。
そして時間停止しベベを締め上げるのですが……

マミ宅からベベを握りながら去ったほむらを、実はリボンをほむらの足首に巻き付けることで時間停止から逃れてさらにほむらを追跡してきたマミさん。

ここから、マミさんとほむらの怒涛のアクションシーンはとても熱いバトルで必見ですね。

というか、本気のマミさん強い……ほむらの時間停止をものともしないとは……

ほむらが自殺する素振りを見せて、それを止めようとしたマミさんの隙をついてマミさんの太股をハンドガンで撃ち抜くほむほむ、しかしこれは魔法のリボンによる擬態で、本編3話同様リボンで
捕まって身動きできなくなります。
すごいぞマミさん、どれだけ先を読んでいるんだ……
もうマミさんの株爆上げだ。

ここで、ほむらは魔女のことを忘れてないかとマミさんに再三問いますが、マミさんは覚えていません。それも当然、もともと魔女は消え去ってましたし。しかし、ここでマミさんが自分達が戦ってきたのは魔獣だと反論することで、ほむほむもマミさんも、ナイトメアと戦っている現状への違和感に気がつきます。
そしてここから、この場所は偽物の見滝原だと気がつくほむら。
そこで突然、消化器の煙と共に謎の人影がほむらを奪い去っていく。
そして困惑するマミの元に表れたのは新しい魔法少女、百江なぎさ。

これは、最初、協力しかけてたから杏子かなーって思ったら意外や意外、さやかでした。
消化器ってあたりヒントだったのかも。
そして、なにか魔女のこと等を知っている素振りのさやか。そもそも、元の魔獣の居る世界ではさやかはもう居ないはず……。
ここで、時間停止で逃げようとするほむほむを、ほむほむの盾の中心部に剣を挿し込んで阻止するさやか。「あんたまた自分だけの時間に逃げこむつもり?」というセリフがかっこいい。
さやかは上条くん絡みで変な方向に吹っ切れない時はとても優秀なのですね。
そしてさやかの背後にうっすら浮かびあがるオクタヴィアちゃん。

魔女の結界の中でありながら、だれも危害が加えられないどころか、だれもが幸せに暮らしてる世界。そんな世界を壊す必要なんてあるのかと聞くさやかですが、ほむほむはそれが許せない。
しかし、これはだれもが幸せに暮らしてるのを望んだ人間の仕業なのだから、まどかか、さやかか、マミか、杏子か、ほむらの5人のうちの誰かの仕業であるということです。

この世界を壊すということは、5人のうちの誰か元凶を付き止めて殺すこと、それに気がつき葛藤するほむほむを案じて、悩みを聞こうとするまどか。
「一人ぼっちになっちゃだめだよ」
そんなまどかに対して感情が決壊して、一気に心情を吐露するほむほむ。
概念と化したまどかのこと、そしてそれを誰も覚えてなくて、悲しいと感じるのが自分だけで、それがとても辛くて、……  それを怖い夢を見たと表現するほむらですが、まどかはそれを否定します。
だってそんな寂しくて大それたことができるはずがないと。そして、そんなまどかの言葉を、まどかの本心を受け取ったほむほむは何かを決心します。

このところから、ほむらの危うさを匂わせる感じがすごくてハラハラしっぱなしでした。

ソウルジェムを置き去りにして、バスに乗るという手段に出たほむら。遺言のようなものを杏子へ携帯で残しますが、結局死ねませんでしたが、あらゆるものが炎に包まれ世界が燃えていきます。そう、この世界こそほむらの中の世界、外の世界では魔女化寸前となっていたほむらなのでした。
ここで、ほむほむの魔女としての結界に表れ、タネ明かしをするQB。
しゃべれたのかQB。
この世界は、以前に魔女のことを話したほむらの言うことを仮説として、概念と化して干渉できなくなった女神まどかに干渉するため、魔女化しかけてるほむらのソウルジェムを防護フィールドに封印して外部からの影響が及ばぬようにしてそれを観測していたのです。
そして、さやかや杏子、マミ、仁美に上条に鹿目家の人達、早乙女先生といった人達は、暁美ほむらが望んだ日常の人物で、その日常を運営するのにこの中にほむらの無意識に呼び寄せたとのこと。QBが作った防護フィールドは一方通行でそういった招かれた人々は拒まないフィールドなのです。

また、現在・過去・未来のどこにも存在がないはずのまどかという少女が居たことで、これがほむらの話す概念化した存在であるのだとQBが気がついてしまいます。

そして、今のほむらは、ソウルジェムの中(=卵の中のような場所)で殻を破らず孵化しようとしている魔女のようなもの。このまま殻を破れば、まどかがすぐさま表れてほむらが魔女化する前に救済するはずなので、その瞬間をQBは狙っていたのです。
そこで、まどかの祈りを汚さないために、自ら呪いをつのらせ、自らのうちで果てることで、永遠に呪いに取り憑かれてもまどかに干渉させないようにしようとします。
すごい執念であり、とても危ういです。
魔女化した自分を、殻が破れる前に杏子やマミが自分を倒してくれると信じて、ついに魔女化。
魔女化したほむらは、基本的には魔法少女としてのほむらと同じようなデザインでしたが、顎から上の顔が無くて、体が骨で、手に枷を嵌めて使い魔と共に断頭台へ行進しています。しかし、背中のリボンが手の形になってずるずるとだだをこねる子供のように後ろに引っ張っていて、
自ら死のうとしてる気持ちとそれでもやっぱり救われたい気持ちが相反しながら存在してるのだとわかります。
そして、そんな魔女化したほむらを見つめる魔法少女達ですが、QBが、君達は仲間を倒すつもりかい?とこの期に及んで攪乱作戦。しかし、既に段取りしたのか、さやかがまどかに、QBの言うことは聞かずにさっき言った通りにと囁きかけます。

ここで、またもや百江なぎさが居るのですが、彼女こそシャルロッテの元の姿だったようです。
そしてここから戦闘、かつて戦った魔女達やその使い魔を呼び出して共に戦う魔法少女というのは
なかなかくるものがあります。そして自らの魔女を背後に出現させながら戦うさやかちゃんとか、
顔だけ2段階目のシャルロッテの顔(お面みたいな?)にしながら戦うなぎさとか、なかなかおもしろい。

どうやら、さやかとなぎさは、概念と化したまどかが魔法少女を救済するときに、その力と記憶を運搬する使者としての役目を負っているようです。さやかちゃん出世したな……
しかし、この空間に囚われ三年、さやかもなぎさももちろんまどかもその記憶を失っていた模様。
ここで、まどかも使命を取り戻し、ほむらの元へ。
そして、また「ひとりぼっちにならないで」という言葉とともに、ほむらを救おうとします。
そして二人で外に向かって矢を放ちます。
殻が破れましたが、外で観測してた超大量のQBも一緒に射殺。
このときのQBが数多すぎて気持ち悪いです。

そして、ついに元に戻った世界で女神まどかが降臨。さやかとなぎさも、ワルプルギスの夜の使い魔の象に乗って女神まどかと共に宇宙の神の座みたいなとこから降りてきます。

そして、ついに約束通り再開を果たし、ほむらは救われたのでした………………



とならないのが虚淵クオリティ。




ここで目を背け、まどかの手を握り返し、黒いフィールドのようなものを展開し、
まどかと一緒に居ようとします。ここで、黒いフィールドの外に女神まどかが残って、フィールドの内に人間としての姿をしたまどかが囚われます。

そして発生する因果の書き換え。まどかの宇宙を書き換えたのです。
今度は、世界から隔離された世界で、ほむらが永遠にまどかと共に居ることを望んだ世界。
この時ほむらのソウルジェムはグリーフシードになることなく、ほむらが噛み砕き、そして
ダークオーブへと変貌します。
そして、動揺し、これはいったいなんだと問うQBに答えたほむらは、
執念や欲望より強くて深いもの、これが人間の愛だと答えます。
完全に闇堕ちですね。
これは愛と言っていいのかわからないような、人間の感情を煮つめたような何かのような気がしますが、それを愛と言うほむらさんすごい。

そして、神でもなければ人間でもない、悪魔になったほむら。
宇宙そのものを書き換える人類をコントロールするのは不可能と判断し退こうとするQBですが、呪いを集めるために必要だとほむらに囚われてしまいます。

本編ではいい子すぎたほむらの危うさが、ここで一気に反転してて、本編とバランス取れてるのかなあと思います。

そしてはじまる新たな世界。さやかは、ほむらへと怒ります。なんてことをしたのかと。
そこでほむらは、まどかの人間としての部分を取り込んだだけといいます。つまり、ほむらの望んだ世界で使命を忘れてたまどかの言っていた、寂しいという本心を聞いて、女神まどかを否定してでも一緒に居ることを選んだのです。そしてそれは、神へ叛逆するのは、当然だと。
叛逆の物語とは神(まどか)へ叛逆する悪魔(ほむら)だったのです。
そして、反論しながらも、徐々に真の世界での役割りと記憶を失いはじめるさやか。後ろでは完全に年相応の子供になってるなぎさがはしゃいでます。

そして、お馴染のHRのシーン、まどかは教室におらず、ほむらが居ます。目が死んでる。
母親の海外出張で3年アメリカに居た設定になってる、転校生の鹿目まどか。
オドオドしている彼女を校舎案内へと連れだすほむらですが、渡り廊下で、
この世界は尊いと感じられるか、この選択は間違いじゃなかったかとまどかに問い正します。
すると、決まりを破るのは悪いことだと思うと言い、そしてこの情況でなお、女神としての記憶と力を思い出しかけるまどか。それを抱きしめて止めるほむらですが、
彼女は、「あなたも私の最大の敵になるのかもしれないわね」と言い
自分が付けてた赤いリボンを、まどかが付けてた黄色いリボンの変わりにまどかに
結びなおして歩き去ります。
約束のリボンはこの時に返されました。

こんな時でもほむらを救おうとしてしまう女神まどかさんマジ女神。

そして、このシーンは、まどかとほむらの二人の立場が反転していますが、
それでもこれは本編での導入の踏襲になっています。
オドオドするまどかに、謎の質問をぶつけるほむら。
そして、リボンも元の持ち主に返されることで、完全に物語の構造は振り出しに戻ったように見えます。

エンディングの後、草原に立つほむら、そして、
ぼろ雑巾のようになって動かないQB。しかし、何の表情も映さないQBの瞳は、
何か黒いものが渦巻いていて、それがアップになったところで物語は終わります。
QBはついに人類に完全敗北したかに見えますが、この演出が、何らかの続きを匂わせます。
たとえば、QBが感情を手に入れたとか、ほむらへの叛逆を考えているとか。
いろいろ期待してしまう演出です。


ここまでダラダラと書いてきましたが、全編通してイヌカレーさんの演出と表現が凄まじい。
パワーアップしている。
そして、本編と反転して神の敵となったほむらですが、物語の構造がまたスタートラインに回帰したことで、さらなる続きが感じられ色々妄想が捗ります。色々続きを考えたり気になったりできる作品は良い作品である証拠でしょう。
また、映画は総編集である始まりの物語、永遠の物語、そして今回叛逆の物語ですが、
それぞれタイトルが 起・承・転 に対応してる気がします。
つまり、次もし映画があるとしたら、それこそが真にまどかとほむらの物語の決着でしょう。
女神としての力をまだ残してる風があるまどかがこのまま永遠にほむらに囚われるハズがないですし、今までとうって変わって今回はまどかの使者としての色々がありまどかの親友でもあるさやかがキーパーソンとなるはずです。そして、本編と違いなぎさという存在も居ます。なので、ここからが真に楽しみと言えましょう。

序盤はどこかあぶなっかしい感じがありながら、平和で、どこか望んだような世界で、ファンサービスもたっぷりです。杏子さやかのタッグとか、列車砲ティロフィナーレとか、まどかマミ合体技とか。
中盤のほむほむによるアクションシーンも素敵ですが、なんといっても終盤の怒涛の展開は目が離せませんでした。 そして、キャラの立ち位置とか、ストーリーの流れとか、最終的なまどかとほむらの関係や考えとか、本編との対比構造がいくつか目立ち、とても考えさせられるギミックが多い作品だったと思います。

これから見る人も、もう一度見る人も、そいうったギミックに目を張りながら注意して見ると面白いのかもしれません。私もきっと沢山のギミックを見逃してるでしょうし、もう一度見たくなる……!